MEISSEN 2017年世界限定作品:花瓶「誘拐」のご紹介

300年以上の長きにわたり、芸術的な名品を創り続けてきた、国立マイセン磁器製作所―。膨大な量の資料と原型をもとに毎年発表される復刻作品や新作は、すでにコレクターの間で確固たる評価と地位を得るに至っています。 芸術品と呼ぶにふさわしい作品群からは、マイセンの高い技術と伝統が伝わってきます。
 

花瓶「誘拐」*世界限定25点*

花瓶「誘拐」*世界限定25点
磁器の発明以前、金銀細工師が宮廷の食卓をきらびやかなものにしていました。マイセンの製作所初期にも、彼らは宮廷銀細工師ヨハン・ヤーコプ・イルミンガー(1635-1724)の指導のもと先頭に立っていました。ベトガー炻器によるこの初期の花瓶は明らかにそのルーツを思い起こさせます。それはオリエント世界から来た金属製のデカンタでした。ハインツ・ヴェルナー教授(1928-)による世界的に有名な絵柄「アラビアンナイト」が湾曲部分と古い形の塔のように長い首の周りに戯れています。明朗さと軽やかさが、マイセンで50年以上、100種類の装飾と数多くの名品を創り出した、この国際的に認められたアーティストの作品を際立たせています。彼のデザインに従って純金で描かれた「アラビアンナイト」は完全に新しいものです。これは現代的で卓越した磁器の絵付と極めて伝統的な手工芸の芸術との橋渡しとなります。金の絵付によるこの特別な挑戦は、その挑戦が明暗のニュアンスをつけることを許さないことにあります。マイセンの白い磁器がすでに1720年代に描いていた「黄金の中国人」に、さらに新たな広がりが与えられました。絵付師、エルケ・ダンネンベルクは暗い色のベトガー炻器の花瓶に絵付を断念し、その代わりに切り絵に似た絵付の技術を高め、その繊細な技法でシルエットのような人物を詳細に認識させます。眠っている番人が王女の誘拐に気づいたときにはすでに、彼女は王子とともに雲の中へ逃げ去っています。「アラビアンナイト」の作品中の誘拐、それはメルヘンのような芸術作品なのです。(原型:18世紀初め、絵付:エルケ・ダンネンベルク、品番:85922/681884、高さ:約45cm)
  
絵付師、エルケ・ダンネンベルク

エルケ・ダンネンベルク氏 プロフィール
Elke Dannenberg

1970年4月12日マイセン生まれ。1986年から1990年まで、国立マイセン磁器製作所の養成学校で学び、その優れた才能から、1992年、「現代人物画絵付部門」に配属され、ヴェルナー教授のデザインによる現代マイセンの絵柄を描くようになりました。ヴェルナー教授の高弟ヴォルフガング・ワックスの指導のもと、1999年から2007年まで絵柄の開発にも携わり、2010年には「マイスター」となって、後進の指導にもあたっています。ヨーロッパだけでなく、アメリカやドバイでも実演を行ない、好評を博しました。
  
  
*2017年世界限定作品のコレクション一覧は、マイセンサイトでご覧いただけます。



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