MEISSENメモ(75):絵付「インド文様」のご紹介

東洋調の動・植物を描いた「インド文様」をご紹介します。
 
マイセンの数多い絵柄の中でも、初期に作られていたのが「インド文様」。
マイセンの生みの親、アウグスト強王の膨大な東洋磁器コレクションに影響を受けたもので、
1720年「東洋のものを真似るように」という指令が出されたことに始まります。
当時オランダの東インド会社によりヨーロッパにもたらされた東洋の磁器は、
東インド会社にちなんで「インド文様」とよばれました。
特徴的な色の青・赤・緑、また代表的な図柄である鳳凰やドラゴン、菊などは人気を博しました。
これらの色彩や文様、その数には、「祝福や平和」「季節」といったさまざまなシンボルや意味が隠されています。
マイセンには現在でも「インド文様」の絵付部門があり、最も高度な技術が必要とされています。

「インド文様」のカップ&ソーサー



(左)想像上の動物が描かれています。
「8」は「永遠」を意味する縁起の良い数であることから、フォームにもその形が生かされています。
(品番:300110/55836、容量:約190ml)
(右)コーヒーの香りが立ち上る長細いカップには正面に窓枠を取ってインド文様が描かれています。
ソーサーの余白には鳳凰をアレンジした鳥が舞っています。
八角形のカップの黄色い地色は均一な焼成が困難な色として知られ、このクラシックな柄に彩りを添えています。
(品番:381610/55835、容量:約200ml)


「インド文様」のプレート



(左)余白を生かした気品ある絵付で知られる柿右衛門様式の影響を受けて生まれました。
マイセンが描く「冬の三友」(松竹梅)です。(品番:455110/00501、径:約18cm)
(中)東洋的な花模様が印象的なこの絵柄は「インドの花」と名づけられ、今日まで高い人気を誇っています。
(品番:351510/00501径:約18cm)
(右)「その足は虎のごとく、爪は鷹のそれに似たり...」遠いむかし、
中国の人々は龍(ドラゴン)の姿をこのように表現しました。
もともとは中国や日本の磁器に描かれていた「赤いドラゴン」が、1730年頃からマイセンでも作られるようになり、
1918年までの長い間、この「赤いドラゴン」はザクセン王室以外、使用することが出来ませんでした。
そのバリエーションとして青や黄色、緑などのドラゴンがあります。
二頭のドラゴンは時計とは逆回りに細長く体を伸ばし弧を描いて躍動感に溢れ、
反対に両側の装飾は静止していて調和のとれた対照を見せています。中央には二羽の鳳凰が組み合っています。
「宮廷の華」といわれたマイセンのドラゴンは象徴に溢れた非常に印象的なデザインです。
(品番:320610/00501、径:約18cm)


「インド文様」酒器セットと花瓶



(左)中国で長寿のシンボルとされる「蝶」。典型的な柿右衛門様式とされる伝統ある絵柄が描かれた酒器。
(品番:393110/SET、ボトルの高さ:約22cm)
(右)舟をかたどった文様の上に華やかな花を描きました。全体を引き締める紺色が効果的に使われています。
(品番:50272/457110、高さ:約25cm)


「インド文様」プラーク



(左)プラーク「シノワズリー」。中央に岩を様式的に描き、そこから左右に花咲く枝を伸ばして鳥を止まらせました。
左右を非対称にしたことで古典的な中にも躍動感が生まれています。
(品番:58263/963201A、額装サイズ:46×56cm)
(右)つがいの鳥と色鮮やかなユウゼンギクが、日本的な余白の中に描かれています。
(品番:58010/595001A、額装サイズ:56×56cm)


 
<インド文様のシンボルのご紹介>
/抵抗力のシンボルであり、人生の嵐に曲がっても決して折れることのない「完全なる人間」を体現しています。
/控えめな態度、謙虚さの象徴。また秋の哀愁も表わしています。
ドラゴン/ドラゴンと鳳凰の組み合わせは、皇帝(ドラゴン)と皇后(鳳凰)の権力、
そして「宇宙と地球に祝福と平和を」という願いを表しています。
また仏教の8つの宝(お金、書物、宝飾品など)の組み合わさった「リボン」と共に描かれることで、
「空と大地」の均衡を表しています。
カササギ/カササギは中国で幸運を運ぶ鳥。
カササギが家の前で鳴いていたら、もうすぐ歓迎すべき来客があるであろうという印です。
/変化、美、はかなさのシンボル。しかしまた、精神、不死の印ともされています。これは、輪廻、復活を示しています。
/権威、勇気、毅然とした態度のシンボルです。
また虎と松竹梅の組み合わせは、長寿、強さ、忍耐、そして精神と物質の対立する力を表しています。
水、波/水は二重の意味をもつ基本的なシンボルで、一方では生、肥沃を、他方では沈没、滅亡を表しています。
松竹梅(冬の三友)/一年中緑の松は、忠実、長く続く友情を表しています。
竹は完全なる人間を、梅は、花が葉より前にあらわれ、すでに2月に咲くことから、強さ、女性の美と不死を表しています。
獅子/力と勇気の強さのシンボルです。
 

「マイセン リーガロイヤルショップ」からのお知らせ⑧

「マイセン リーガロイヤルショップ」では、2019年の世界限定作品や限定エディションなど貴重な作品をご紹介しています。
いずれもコレクター垂涎のアイテムとされる逸品です。

   

マイセン リーガロイヤルショップ
卓上を彩る人形も
多数ご覧いただけます。

「世界限定作品」とは、毎年技術の粋を集めた復刻作品や現代作品を
世界限定で発表している逸品です。
作品には、Limited Master Works の「LM」とシリアルナンバーが
入れられています。
また昨年から始められたシリーズの「限定エディション」とは、
「世界限定作品」に較べ、お求めいただきやすい内容で
作品の底面には「Limited Edition」の「LE」と
シリアルナンバーが入れられています。
 
マイセン リーガロイヤルショップ
大阪市北区中之島5-3-68 リーガロイヤルホテル1階
TEL/06-6449-0663
営業時間/10:00~19:00
定休日/毎月第3水曜日
https://www.meissen-jp.com/shoplist/


世界限定作品
デジュネ「様式的に描かれたベリーの実」-世界限定15点-

卵型ボックス「楽を奏でる妖精」-世界限定25点-



デジュネ「様式的に描かれたベリーの実」-世界限定15点-
18世紀の古典的なフォームに、絵付部門の責任者であるホルガ―・シルが愛らしいベリーの実を描きました。
白磁に映える紺色の地色が、古典的なフォームに生き生きとした現代の息遣いを与えています。
カップやソーサーからトレーまで、すべて「永遠」を意味する八角形でまとめられた、芸術的な作品です。
(品番:248484/C5328、幅:約41.5cm)
 
卵型ボックス「楽を奏でる妖精」-世界限定25点-
1850年頃に生まれた愛らしい脚付の卵型ボックスに、横笛を吹く妖精を描いた作品。
珍しい黒の地色に白い顔料を薄く塗り重ね、草花や妖精の羽を繊細に描き分けました。
リモージュ絵付と呼ばれるこの絵付には高い技術が必要とされ、マイセンでもごく数人の絵付師にしか行うことができません。
本作品は、フランスで生まれたこの技法がマイセンで花開き現代にまで受け継がれていることをよく物語っています。
(品番:52774/27A184、高さ:約16cm)


世界限定作品
花瓶「メタモルフォーシス」(変容)-世界限定25点-
スノーボール装飾花瓶「ドレスデン-カナレットの光景」-世界限定15点-



花瓶「メタモルフォーシス」(変容)-世界限定25点-
魚の口の形をした花瓶の面を生かしてヴィクトリア・シュミットが描いたのは魚から姿を変えて天へ昇ろうとするドラゴン。
染付の青と、ドラゴンの朱色が空と海の対比を示しています。新しいフォームと古典的なモチーフが緊張感を生み出しました。
(品番:50264/59A284、高さ:46cm)
 
スノーボール装飾花瓶「ドレスデン-カナレットの光景」-世界限定15点-
1739年に生まれた「スノーボール装飾」は、アウグスト強王の息子、アウグストⅢ世が、
「王妃に枯れない花を贈りたい」と願って作らせたマイセン伝統の装飾です。
白い「ガマズミ」の花を全面に施したその豪華さは「究極のロココ」と称されます。
そこにイタリア生まれのカナレット(1697-1768)がドレスデンを描いた名画を再現しました。
カナレットの名画は今もツヴィンガー宮殿絵画館(ドレスデン)に収蔵されています。
(品番:82M09/28A884、高さ:約30cm)


限定エディション
飾皿「鶴」-世界限定50点-  花瓶「鶴」(小)-世界限定50点-  花瓶「鶴」(中)-世界限定50点-



飾皿「鶴」-世界限定50点-
1890年頃に生まれたメッシュプレートのフォームに羽ばたく鶴を描きました。
レリーフで表現された白鳥がたゆたう湖の上を鶴が飛ぶイメージ。大胆な構図と白磁を生かした絵付が特徴的です。
(品番:54M67/61A174、径:約25.5cm)
花瓶「鶴」-各世界限定50点-
暖炉用装飾花瓶として18世紀の昔からヨーロッパの宮殿を飾ってきたマイセンの蓋付花瓶を天空に見立て、
優雅に舞う鶴を描きました。従来のマイセンの絵付にはない、白磁との大胆な対比が目を引く意欲的な作品です。
(小/品番:51081/61A174、高さ:約23cm、中/品番:51082/61A174、高さ:約24.5cm)


人形「パゴダ」



人形「パゴダ」
原型は1740年、偉大な造形家、ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーやアーティスト、ヨハン・フリードリッヒ・エベラインによって作られました。
本来パゴダとは仏塔の事ですが、シノワズリーがもてはやされた18世紀中頃頃のヨーロッパにおいては、
東洋を象徴する建築物と考えられていました。
またこの人形も、典型的な東洋人のイメージを表現していたために「パゴダ」の名称がつけられたとされています。
パゴダの衣装には、天才的な絵付師、ヨハン・グレゴリウス・ヘロルトによる「インドの花」文様が描かれ、
人目をひく外見にさらに華やかさを加えています。
(左・男/品番:67829/900380、高さ:約18㎝、右・女/品番:67835/900380、高さ:約18.5㎝)
 


*マイセンの製品は、マイセンオンラインショップ や、アマゾン「MEISSEN MANUFACTORY SINCE 1710 」
楽天市場「マイセン磁器日本総代理店」 、または、マイセン リーガロイヤルショップ全国主要百貨店 でお求めいただけます。





  *マイセンの日本公式SNS
オンライン上でもマイセンの世界をお楽しみください。
 



カテゴリー



アーカイブ





GKジャパンエージェンシー株式会社
Copyright © GK Japan Agency Co.,ltd. All Rights Reserved.