MEISSENメモ(107):マイセンを代表する
カップ&ソーサーのフォームのご紹介

マイセンを代表するカップ&ソーサーのフォームをご紹介します。

マイセンを代表するカップ&ソーサーのフォーム「ノイアー・アウスシュニット」。
型番号は「00582」をはじめ、「01582」「02582」などがあります。
1745年にマイセン初期の天才造形家、ケンドラーによって創作されました。
「ノイアー=新しく、アウスシュニット=切り出した」という意味です。
花びらのような口縁部に特徴があり、口縁の形から別名「ロゼット」(バラの形の装飾)とも呼ばれています。
縁の部分に切り込みをいれたこのフォームは、人間工学的にも計算されており、口当たりが非常によいカップです。
原型となる型は国立マイセン磁器製作所内にある原型収蔵庫に大切に保管されています。
今も保管されている原型から、実際に作業で用いる石膏型を作り、
その作業型に磁土を流し込んで、さまざまなパーツを作っています。

ノイアー・アウスシュニット/型番号00582
マイセンのバラ、様式的な花、ヒナギクと忘れな草、
ワインリーブ、ブルーオニオンスタイル、果物などさまざまな絵柄が描かれています。

 

美しく口当たりの良い口縁/持ちやすいカーブに、植物を想わせる持ち手

 

ティー/コーヒー兼用のものは、カップとソーサーの容量が同じになっており、
「一度、カップの中の飲み物をソーサーに移し、冷ましてから飲んだため」という説が通説になっています。
カップを安定させるための中央のくぼみがないソーサーが多く、
スイーツや果物用などの取り皿にできるなど、さまざまな用途で使える点も魅力です。

 

作業型/滑らかな表面は絵付にふさわしくマイセンを代表する絵付の数々がこのフォームを彩っています。

 

ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー(1706-1775)
Johann Joahimm Kaendler
18世紀のマイセンに偉大な足跡を残した造形家。
アウグスト強王の命により数え切れないほど多くの人形、動物彫像、サーヴィスセットを作り上げました。
1706年、ドレスデン近郊のフィッシュバッハ生まれ。
ベンヤミン・トーマエの芸術工房で修業。
師と共に王の宝物館「緑の天井」に収める作品の制作に携わり、1730年にはその功績が認められて宮廷彫刻家となり、
1731年、王の指示でマイセン製作所に入りました。
1735年からは精力的にサーヴィスセットの開発を行ないました。
ヨーロッパ卓上文化の最高峰といわれる「スワンのサーヴィスセット」もケンドラーによるものです。
圧倒的な質の高さは、彼が不世出の天才であることを物語っています。
作品点数も膨大なもので、まさにマイセン造形の祖ということができます。



 
 
 
 



MEISSENメモ(106):「春」をテーマにしたプラークのご紹介

「春」をテーマにしたプラークをご紹介します。
 
「春」や「春の花」をテーマにした美しいプラークをご紹介します。
プラークの歴史は古く、絵付の可能性を求めた熟練の絵付師が食器の絵付と並び、1753年に「磁板の上に絵を描く」ことを始めました。
マイセン磁器の生みの親、アウグスト強王の息子、アウグスト3世が磁器よりも絵画の収集に熱中した影響も大きくありました。
イタリア、フランス、オランダの名画の模写からは、絵付師たちの並々ならぬ手腕をみてとることができます。
この「絵画的絵付」が後に「プラーク」(陶板画)となって、マイセンの大きなジャンルに発展しました。


額装プラーク「桃の花」
トップアーティスト、ホルスト・ブレッチュナイダーが、特別にデザインした作品。
水溶性顔料を用い、背景に溶け込むような描き方で桃の花の表情を繊細に捉えています。日本の影響もうかがえる色彩の美しい作品です。
品番:96210/932220A、額装サイズ:約35×29.5cm



プラーク「春」
美しいドイツの春をトップアーティスト、ホルスト・ブレッチュナイダーがデザインしました。清々しい小川のほとりに花々が咲く田園風景です。
心地よい水音が聞こえてきそうな作品です。
品番:9M105/933003、サイズ:約22×22cm



プラーク「春」
現代マイセンのトップアーティスト、ホルスト・ブレッチュナイダーが2012年に60歳を迎えたことを記念して制作された「四季」プラークの「春」。
華やかな色彩が、春の陽気な雰囲気を生み出しています。
品番:96210/932215A、額装サイズ:約31×25.5cm



プラーク「春」
現代マイセン造形の名手、ザビーネ・ワックスがデザインした「四季」をテーマにしたプラークの一つ。
葉の陰から覗き込むような可愛らしいフォームもワックスがデザインしました。豊かな抒情性が魅力です。
品番:9M769/933010、サイズ:約15.5×15.5cm



プラーク「春の花」
現代マイセンを代表するアーティストの一人、フォルクマール・ブレッチュナイダーによるデザイン。
彼は数多くの美しい花絵付を描きましたが、このプラークでは花々がまるで春の風に吹かれているかのような動きを見せています。
主張の強すぎない落ち着いた色合いが、趣のあるデザインです。
品番:9M302/932064、サイズ:約28.5×38cm


MEISSENメモ(105):マイセン磁器「パイプオルガン」のご紹介

マイセン磁器「パイプオルガン」をご紹介します。
 
マイセン磁器の生みの親、アウグスト強王にとって、マイセン磁器でパイプオルガンを作ることは悲願でした。
マイセンの町の広場に建つ聖母教会に設置したマイセン磁器製の鐘を作ることは出来ても、
高い精度が必要な本格的な楽器の制作は困難を極め、18世紀初頭に強王が依頼してからなんと約300年もの歳月を要しました。
これは「マイセン最長の納期」と語り草になっています。
造型家、ルードヴィッヒ・ツェプナーの研究と情熱、
そしてオルガン制作に200余年の歴史を有するイェムリッヒ社の協力によって、
世界初のマイセン磁器を使用したパイプのオルガンが2001年に完成しました。
磁器芸術の最高傑作の一つと言われています。
マイセン美術館では、折に触れてこのオルガンによる演奏会も開催されています。


2001年に完成した、マイセン磁器のパイプオルガン



現代マイセンの造形家、ルードヴィッヒ・ツェプナー

 
ルードヴィッヒ・ツェプナー/Ludwig Zepner
 
1931年、シレジア(現ポーランド領)のマルクヴィッツに生まれる。
1948年、17歳で国立マイセン磁器製作所に入り、1年間絵付を学び、
その後3年間、成型を学びました。
1954年にベルリンの応用美術大学に入学。
卒業後マイセン製作所に戻り、さらに研鑽を積みました。
マイセン磁器製作所の未来を担うために作られた
そして「芸術の発展を目指すグループ」の一員となり
多くの名作を生み出しました。
現代マイセンのフォームは、ツェプナーの卓越した造形感覚に負うところが大きいと評されています。
自然観察の中から生まれた彼が考案したフォーム「グローサー・アウスシュニット」は、
「ブルーオーキッド」「アラビアンナイト」のテーブルウェアに用いられています。
白鳥をイメージしたポットには独特の優美な雰囲気があります。
2001年、化学者のような探求心をもって実験を重ね、磁器によるパイプオルガンを完成させました。


マイセンの町の広場に建つ聖母教会。時間がくると美しい音色が響き渡ります。



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