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アーティスト紹介:マイセン絵付師 エルケ・ダンネンベルク氏

2014年3月
マイセン磁器製作所の絵付師、エルケ・ダンネンベルクさんが日本橋三越本店「大マイセン展」のために来日し、6日間絵付の実演を行ないました。

卓越した技術を披露したダンネンベルクさんのインタビューをご覧ください。(今回の来日は2回目となります。)

エルケ・ダンネンベルク氏


 
 
エルケ・ダンネンベルク氏 プロフィール
Elke Dannenberg

1970年4月12日マイセン生まれ。1986年から1990年まで、国立マイセン磁器製作所の養成学校で学び、その優れた才能から、1992年、「現代人物画絵付部門」に配属され、ヴェルナー教授のデザインによる現代マイセンの絵柄を描くようになりました。ヴェルナー教授の高弟ヴォルフガング・ワックスの指導のもと、1999年から2007年まで絵柄の開発にも携わり、2010年には「マイスター」となって、後進の指導にもあたっています。ヨーロッパだけでなく、アメリカやドバイでも実演を行ない、好評を博しました。
 
 
 
 
 
-今回の来日の印象はいかがですか?
エルケ・ダンネンベルク氏(以下E・D):去年に続き今年も日本に来ることができて、大変嬉しく思っています。今年は日本橋三越本店で絵付実演をしましたが、銀座のホテルから日本橋まで歩いていくと、通りに早くも桜(おかめ桜)が咲いていました。美しく、春の訪れを感じました。昨年も感じたことですが、日本の皆さんは大変親切で、とても温かく迎えてくださいます。仕事をする姿は生き生きしています。私も大変楽しく、実演をすることができました。心から感謝しています。

-今、マイセンでやっていることはどんなことですか?
E・D:アラビアンナイトの絵付をしています。アラビアンナイトのグラフィックバージョン(注・アラビアンナイトには、グラフィックのバージョンと絵画的なバージョンと2つある)は、たった5色(注・金を除く)で、華やかでエキゾチックな世界を表現しています。ブルーとグリーンは銅を含む顔料で、柔らかく透明感があり、服や絨毯の素材感や波の躍動感を表わすのに大変適しています。この絵付はとても楽しく、やりがいのある仕事です。

-日本のファン、ユーザーにメッセージをお願いします。
E・D:マイセンの磁器は、ひとつひとつが手仕事で作られ、同じ絵付師が描いたものであっても、ひとつとして同じものはありません。いわばどれもがユニカートといえるものです。芸術作品といわれるものもありますが、私はマイセン磁器が日常生活と結びついてほしいと思っています。美しいものに囲まれて生活するのは、大切なこと。マイセンの磁器を、どうぞ日々の暮らしの中で使ってください!
 
*アラビアンナイトのグラフィックバージョンはたくさんありますがその一部をご紹介いたします。
左から
・ボックス「アラビアンナイト」(商品番号:680710/52860)高さ:9.3cm
・プラーク「アラビアンナイト-小船乗り」(商品番号:68A013/58263A)サイズ:56×46cm
・花瓶「アラビアンナイト」 (商品番号:680791/51081) 高さ:23.0cm


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テレジアンタール×クリスティアン・ハース


前回のアーティスト紹介からかなりの月日が経ってしまいました。今回のブログでは、久しぶりにアーティストの紹介をしていきたいと思います。
本日ご紹介するアーティストは、ヨーロッパを中心に活躍しているデザイナー、クリスティアン・ハース(ChristianHaas)です。

ドイツ人デザイナー、クリスティアン・ハース(Christian Haas)は、グラス・メーカーのナハトマン、ホームウェア・ブランドのビレロイ&ボッホ、テーブルウェア・ブランドのローゼンタールなど、ドイツの著名な高級ブランドのデザインに携わっており、テレジアンタールとは2011年からコラボレーションを行っています。

そのハース氏が、東京・渋谷にあるセレクトショップ「LAILA TOKIO(ライラ トウキョウ) / 7×7」で、2013年10月26日(土)から11月10日(日)に開催された展示会、「(FRONT#1) Christian Haas Exhibition “ROPES”」のために来日されました。

展示会期間中に行われたレセプションにお邪魔をした際、ハース氏とお会いし、作品についてテレジアンタールとのコラボレーションについてお話を伺うことができました。

◄クリスティアン・ハース(Christian Haas)氏

今回の展示会場である、LAILA TOKIO / 7×7は、
“国内外からセレクトしたデザイナーズ、クリエイターズアイテムと、ファッションの歴史であるクラシックメゾンのVINTAGEを織り交ぜた伝統と格式の新しい形、「new couture/ニュークチュール」” をテーマに掲るセレクトショップ。
昭和中期の一軒屋を改装した建物の外装は大変シンプルですが、内装には8000個もの真っ白なピラミッドが隙間無く張り巡らされ、モダンな雰囲気に包まれています。アーティスト、木村浩一郎氏によるデザインのショップは、日本中のファッションリーダーだけでなく、建築デザイナーにも注目されています。

ショップ外観
ショップ内部

LAILA TOKIOでは「FRONT」と題して、ジャンルを問わず伝統的な文化や技法をベースに創作活動を行い、その美意識で未来を創造しようと活動をするアーティストやデザイナー、職人の方などを招き、彼らの活動や作品をご紹介する場を設ています。その(FRONT#1)=第1弾として、「Christian Haas Exhibition “ROPES”」が開催されました。

会場では、今回の展示会のタイトルでもあり、ハース氏が2011年に立ち上げた自身のレーベルから発表した「ROPES」が会場半分に展示されていました。
ハース氏曰く、「「今回の『ロープ』は、『光を編む』というクリエイティヴなアイディアが特徴。ポリプロピレンでロープを編み、手仕事で作り上げられたオブジェは点灯すると独特の存在感を生みだします。結び目のところはLEDが光らず、マットな状態になるのも特徴」とのこと。
さらに、「光を編む」ことに夢中、というハース氏。

ハース氏のデザインした テレジアンタールの世界限定作品

そして、テレジアンタールとのコラボレーション作品については

「テレジアンタールの作品に見られるように、私の作風はモダンでありながらも前衛的ではなく、あたたかみを感じさせると思います。世界限定作品は、個々の商品を2つ、3つと重ねるたびに微妙な色合いを生じ、光を幾重にも変化させることができる点に、魅かれています。」

テレジアンタールが作り出す、奥深く多彩な色と繊細なエングレーヴィング、「繊細さから生まれる多彩なニュアンス」がアーティストの創造性を刺激しているようです。
この世界限定作品は、インテリア小物と食器を組み合わせた、まったく新しいオブジェです。
「Focus The Unknown ― 未知の世界へようこそ ―」のオブジェでは、大きな緑色のボウル、鳥がエングレーヴィングされた紫色の花瓶、植物が刻まれたボトル、鮮やかな黄色の小ボウルを組み合わせて1つの作品になります。

Focus The Unknown ― 未知の世界へようこそ ―
テレジアンタール設立175周年を記念して発表された「Small Worlds」コレクション。小さな世界を表現したそれぞれのオブジェには、「アフォリズム(格言)」の名がつけられており、オブジェとしても、それぞれのパーツに分けても使用できるようなデザインとなっています。

品番:50/9910 サイズ:高さ 32.1cm

ボウル
サイズ:32.1cm
花瓶
サイズ:25.9cm
ボウル
サイズ:6.4cm
ボトル
サイズ:20.8cm

食器ブランドのデザインに長く関わっているハース氏ならではの柔軟性のあるアイデアとテレジアンタールの職人の高い技術により生み出された作品は、会場にお越しの方からも、その素晴らしさに感嘆の声があがっていました。
LAILA TOKIOのモダンな空間に置かれても、まったく引けをとらないデザイン。真っ白な空間にテレジアンタールの繊細なカラーが美しく映えていました。

会場では、この2013年新作コレクション、「Focus The Unknown― 未知の世界へようこそ ―」からオブジェとタンブラーの他に、2011年にテレジアンタール設立175周年を記念して発表された世界限定作品「Small Worlds」コレクション、”a matter of perspective”「拝啓、宇宙より」のオブジェとタンブラー「Planet Earth」も展示されました。

Focus The Unknown― 未知の世界へようこそ ―
新作タンブラーとオブジェ
Focus The Unknown― 未知の世界へようこそ ―
新作タンブラーとオブジェ
”a matter of perspective”「拝啓、宇宙より」
ジャグとタンブラー
”a matter of perspective”「拝啓、宇宙より」
オブジェ

LAILA TOKIOでの展示は期間限定ですが、もしこのハース氏デザインのオブジェと、このオブジェをモチーフにした、アーティスティックなタンブラー「Planet Earth」などにご興味がございましたら、日本で唯一のテレジアンタール専門店「テレジアンタール リーガロイヤルショップ」までお問い合わせください。

テレジアンタール リーガロイヤルショップ

大阪市北区中之島5-3-68 リーガロイヤルホテルB1階

TEL:06-6444-6868
営業時間:11:00~20:00
定休日:毎月第3水曜日

非常にきさくに、ご自身のコンセプトを生き生きと語ってくださったハース氏。いろいろなお話を伺うことができ、作品だけでは無く、人柄にも魅了されました。
また、ハース氏とLAILA TOKIOの建築デザインをされた木村氏は旧知の間柄で、レセプションは、お二人の親しい会話によってあたたかな雰囲気に包まれていました。
素晴らしい建物におかれたハース氏のオブジェ。-- 2人の才能あるアーティストの作品に感動したひとときでした。

王侯貴族に愛され長い歴史を誇るテレジアンタール。ルードヴィヒⅡ世が建築を命じた、有名なノイシュヴァンシュタイン城(白鳥城)にも、テレジアンタールのグラスウェアが献上されています。
こうした輝かしい伝統と格式を誇りながらも、近年はハース氏のような若手のデザイナーや、アーティスト集団と積極的にコラボレーションを行い、新しい作品も次々と発表しています。
クリスティアン・ハース以外のアーティストたちの作品は、テレジアンタールのサイトでご紹介をしておりますので、是非、そちらもご覧ください。

今回、展覧会が開催された セレクトショップ「LAILA TOKIO(ライラ トウキョウ) / 7×7」の情報と、アーティスト木村浩一郎氏の詳細は、下記ショップURLでご覧ください。

LAILA TOKIO(ライラ トウキョウ)
https://www.laila-tokio.com/
アーティスト木村浩一郎氏
https://www.koichiro-kimura.com/

◄LAILA TOKIOショップスタッフさん

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マイセン:ファッションで綴るマイセンの300年 様式ペア人形

マイセン磁器の誕生から300年の間、ヨーロッパでは様々な芸術様式が生まれ、流行となりました。18世紀の芸術様式「バロック」や「ロココ」、19世紀の「アール・ヌーヴォー」様式など、歴史や西洋美術史の教科書でも必ず載っているおなじみの様式ばかりです。
その間もマイセンは、ヨーロッパ最高の硬質磁器窯として作品を作り続け、そして時代の変遷に合わせて様式も変えてきました。
今回、そのマイセン300年の歴史をユニークな形で紹介する作品が「様式ペア人形コレクション」。「ファッションで綴るマイセンの300年」との副題がつけられています。

現代マイセンの代表的なジャンルのひとつである「手びねり人形」にその時代ごとの服装を着せ、マイセンが磁器を作り続けた300年間の歴史をひも解くという画期的なコレクション。
今年2012年よりコレクターズアイテムとして毎年発表され、合計で5シリーズのコレクションになります。
全ての人形のデザインは、手びねり人形の考案者であり現代マイセンのトップアーティスト、ペーター・シュトラングによるもの。ユニークな構想とユーモラスな表情にシュトラングらしさがあふれています。

今回のスタッフブログでは、様式人形と一緒に、その時代の特徴を持った代表的な作品もご紹介いたします。

第一作目は、「バロック」。
17世紀ローマに発し、ロココ様式が台頭する直前の18世紀序盤まで隆盛を極めた様式です。特徴は、曲線や装飾性、そして宮廷趣味にあります。マイセンにおけるバロック様式も、装飾性に富み、絵画的な作品を生み出しています。

「バロック」様式を代表する作品が、今年2012年の世界限定コレクションでも発表されました。ヨーロッパ最高のサーヴィスセット「スワンサーヴィスセット」です。2,000以上のピースから成ったという「スワンサーヴィスセット」はドイツ・バロック様式の集大成いわれています。

◄スワンサーヴィスセット「カポディモンテ」 2012年世界限定コレクション 世界限定75点
こちらのセットは、豪華に金彩を施した「スワンサーヴィス誕生275年記念作品」です。


様式ペア人形 2012年 第一作目「バロック」

サイズ:高さ 各約11cm、品番:83520/83521/2P

男性のカツラや上着のフリル、白いタイツ、そして女性の広がったスカートや手にした扇子など、「バロック」の特色が随所に見られる人形です。


第二作目は、「ロココ」。
18世紀にヨーロッパで発展を遂げたロココ様式は、バロック様式に通じる曲線や装飾性を特徴としながらも、優美さと軽快さにその真髄を見ることができます。マイセンのロココ様式には、当時フランス宮廷やフランスの画家たちの影響が反映され、優雅さを漂わせたフランス風の作品群となっています。

「究極のロココ」といえる「スノーボール装飾」。実用面よりも装飾性が重視されています。作品を覆い隠すように貼り付けられた小さな花は「ガマズミ」の花。この花はひとつひとつ繊細な手作業によって作られ、本体につけられていきます。18世紀には大小様々なスノーボール作品が人気を博し、現在もなお多くの人を魅了しています。
◄脚付スノーボール ボックス 2011年発表”JE(Japan Exclusive)”というロゴが入った日本記念シリーズ。


様式ペア人形 2012年 第二作目「ロココ」

サイズ:高さ 各約11cm、品番:83522/83523/2P

エレガントでロマンチックな「ロココ」様式。18世紀のフランスにその起源を発します。宮廷の生活を彷彿とさせる、夢あふれるペアとなりました。



第三作目は、「新古典」。
18世紀後半から19世紀初頭、ヨーロッパを席巻した新古典主義は、ギリシア、ローマの古典古代の復活を目指したものでした。マイセンにおいても、アンフォーラ型のローマ式花瓶やワインリーブの模様などに新古典主義の顕著な特徴を見ることができます。

このチューリップの花絵付は「マルコリーニ手法」と呼ばれ、1774年から1814年までマイセンの最高責任者として活躍したカミーロ・マルコリーニ伯爵がマイセン製作所の責任者となった通称「マルコリーニ時代」に生まれたものです。
独特なチューリップ絵付と忘れな草の組み合わせに特徴があります。「マルコリーニの花」とも呼ばれ、今日でも高い人気を誇っています。

◄美しい色合いのチューリップが描かれたカップソーサー


様式ペア人形 2013年 第三作目「新古典」

サイズ:高さ 各約11cm、品番:83524/83525/2P

華美なロココ様式の反動で生まれた「新古典」主義。ギリシャ風のスタイルが特徴です。女性と男性の衣装のポイントに使われたお揃いの青色がおしゃれです。


第四作目は、「ヒストリカル」。
19世紀、歴史を再発見するという考え方に基づき、当時の手法によって復刻されたヒストリカル(歴史主義)。ロココやビーダーマイヤー、新古典など、さまざまな歴史的様式がミックスされています。

マイセンにおいては、ギリシア・ローマ風のフォームや絵柄、ビスキュイ風の仕上げなど豪華絢爛な装飾を特徴としています。1827年に上絵付後の焼成に耐え、研磨の必要のない金が生まれたことも「絢爛豪華な装飾」に影響を与えました。

◄2匹のヘビをかたどった取っ手と果物模様の花瓶。
典型的な歴史主義の作品で、ギリシアの壷を模したアンフォーラ型が特徴です。歴史主義の極みとも言うべき装飾と、堂々たるその姿は見るものを圧倒し魅了します。


様式ペア人形 2014年 第四作目「ヒストリカル」

サイズ:高さ 各約11cm、品番:83526/83527/2P

19世紀後半に生まれた歴史主義「ヒストリカル」。18世紀からのさまざまな美術様式がミックスされています。ヨーロッパの豊かな歴史を感じさせる作品です。


5部作の最後を飾るのは、「アール・ヌーヴォー」。
ドイツでは「ユーゲントシュティール」と呼ばれる「アール・ヌーヴォー」。1890年~1910年頃にヨーロッパを中心に開花した芸術運動、芸術様式です。さまざまな表現方法が誕生し、植物のモチーフを多用した曲線的装飾、機能性や合理性と対極にある唯美的な傾向が見られます。マイセンの作品、特に人形や動物像にもアール・ヌーヴォーの影響が色濃く見られます。
この時期マイセンは、アール・ヌーヴォー様式を習得していたアーティストに多くの作品を作らせ、パリやロンドンの万国博覧会に出品して注目を集めました。 そのひとり、パウル・ショイリッヒも自由に制作するアーティストとしてマイセン磁器製作所で活躍しました。
◄人形「扇をもつ婦人」 ショイリッヒの作品の中でも最も美しいラインを持つといわれるこの女性像は1930年に原型が作られました。柔らかな羽扇、沢山のひだのついたドレス、そして内面から溢れ出るダイナミックな力は、磁器という素材を熟知したショイリッヒの真骨頂といえるでしょう。


様式ペア人形 2015年 第五作目「アール・ヌーヴォー」

サイズ:高さ 各約11cm、品番:83528/83529/2P

19世紀後半から20世紀にかけて一世を風靡した「アール・ヌーヴォー」様式。淡い色彩とモダンなスタイルが特徴です。



メルヘンプラークコレクション

また、もう一つのシュトラングによる手びねりシリーズが、同じく今年からスタートしています。
小さな壁掛けのプラークに、手びねりでメルヘン(童話)の主人公が表現されている「メルヘンプラークコレクション」。今年、2012年から5 年間の限定で発売されるシリーズで、第一作目である「長靴を履いた猫」は、大変ご好評をいただいております。


来年2013年は、カエルに姿を変えられてしまった王様とお姫様のお話「カエルの王様」。
本当は王様であるカエルが王冠を被り、お姫様に飛びつく姿がとても愛らしく表現されています。お姫様が、池に落としてしまう金の毬もプラークの片隅に立体で表現されています。メルヘンプラークの詳細は、こちら をご覧ください。

◄「カエルの王様」
品番:83M11/90A202


ペーター・シュトラング(Peter Strang)
ペーター・シュトラング Peter Strang
1936年 ドレスデン生まれ
1950年から54年までマイセン磁器製作所で造型を学び、その優れた才能からドレスデン造形大学のアルノルト教授のもとでさらに研鑚をつみました。1960年に製作所に戻り、アーティスト集団「芸術の発展をめざすグループ」の設立メンバーとなって活躍しました。シュトラングの作品は、20世紀後半の磁器芸術全体に大きな影響を与えたといわれます。動と静、緊張と弛緩など、相対するものの一致をめざし、その優れた抽象と象徴の中に「シュトラング」をいう個性を強く感じさせています。


マイセンの人形は、その種類の多さ、様式の多様さが一つの特徴となっています。輝く白磁の上に、繊細に描かれる顔の表情、手足の躍動感により、ヨーロッパ随一との名声をほしいままにしてきました。
手びねり人形は、伝統的な人形とは異なり、フォームをほとんど使わないところが特徴です。従来の人形は、多数のフォームを使ってパーツを作りますが、手びねり人形はほとんどフォームを使わず、手で自由に作られるため一品一品味わいが異なることが最も魅力的な点です。

■ 全国のマイセン取り扱い店舗はこちらよりご確認ください。
■ 数に限りがございますので品切れの際はご容赦ください。
■ すべて手作りで制作されるため、サイズが多少異なる場合がございます。ご了承ください。 
■ ご使用のPC・ブラウザにより、写真と実物の色合いは多少異なる場合がごさいます。



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マイセン:日本のためのマイセン・干支プレートが完成するまで

前回、9月11日の更新では、マイセンのイヤーコレクションの、特に「イヤープレート」についてご紹介をしました。
今回は、日本のために特別に作られる「干支プレート」が完成するまでをご紹介いたします。

干支プレートは、1998年の「寅」よりスタートしました。現代マイセンに一時代を築いたハインツ・ヴェルナー教授が、「虎が音楽を奏でる様子」をユーモラスに描いています。
虎が寝転がってますが、実はこれは「酔っぱらった」様子です。もともと「酔っぱらって楽器を弾く動物」は、ヴェルナー教授の得意とするテーマで、この干支プレート以前にもこのテーマでプラークやサーヴィス・セットが作られてきました。

◄1998年干支プレート 「寅」

「酔っぱらって楽器を弾く動物」のテーマについて、ヴェルナー教授がこのように語ったことがあります。
「『酩酊』することで現実を忘れ、楽しく歌い踊る人や動物たち。夢と現実の間の微妙な境目。自分がどちらにいるのかはっきりとわからない、ふしぎな気分。」

1998年から、2009年までの12年間はすべてヴェルナー教授によるデザインでした。見る人を不思議な夢の世界へいざなう動物たちは、まず「ラフスケッチ」が描かれ、マイセンより届きます。

2008年干支プレート「ピッコロを吹く陽気なネズミ」のスケッチです。
画像をクリックするとスケッチの全体画像をご覧いただけます。番号順にご覧いただくと、完成までの過程をお分かりいただけます。

2008年干支プレート「ピッコロを吹く陽気なネズミ」

見ていただいてお分かりになるかと思いますが、少し強面で体つきもなんとなくみすぼらしい感じのするネズミす。これでは日本の皆様にお気に召していただけません。そこで、修正を依頼しました。
届いた修正版です。ネズミの毛並もやわらかくなり、顔つきも目がクリッとしてかわいらしくなっています。またプレートのフォームが丸に変更されています。お気づきいただけましたか?
青と金色の絵具で美しく彩色された最終のスケッチになります。ここから、絵柄の基となる銅版が作られるのですが、色の濃淡など、再現がとても難しそうです。
左側の彩色スケッチと比べて見てください。どちらがスケッチなのか、プレートなのか一瞬見ただけでは、見分けがつかないほど正確に再現されています。

もう一点、2009年干支プレート「ヴァイオリンを奏でる陽気な牛」のスケッチをお見せいたします。2008年干支プレート「ピッコロを吹く陽気なネズミ」とは別の形でスケッチの修正がありました。
こちらも画像をクリックするとスケッチの全体画像をご覧いただけます。番号順にご覧いただくと、完成までの過程をお分かりいただけます。

2009年干支プレート「ヴァイオリンを奏でる陽気な牛」
左側にあるスケッチと比べるとかなり絵の雰囲気が異なるのがお分かりいただけるかと思います。実はこれはヴェルナー教授では無く、別のマイセンのアーティストが描いたスケッチになります。
せっかく、別の提案があったのですが、やはりヴェルナー教授の描いた絵が採用されました。過去11年、ヴェルナー教授のデザインで発表していましたので、最後の年で変更をする訳にはいきません。
彩色された最終のスケッチです。牛の耳の形、しっぽの長さや形、バイオリンの柄など、最終スケッチまで数回の変更があったことにお気づきいただけましたか?最初のスケッチになかったまつ毛も加えられています。
大きな牛が、ヴァイオリンを弾きながら、足で器用にティンパニを踏み鳴らしている姿はユーモアに溢れています。新しい年の到来を華々しく告げ知らせる素晴らしいプレートになりました。

2009年の「ヴァイオリンを奏でる陽気な牛」で、ハインツ・ヴェルナー教授デザインによるシリーズは終わりました。最初の干支プレートの「寅年」から12年経った2010年の「寅」より、現代マイセンのアーティスト、アンドレアス・ヘルテンが担当するようになりました。

2010年干支プレート 「森の中の虎の親子」

深い森の中で虎が雄々しい姿でセタール(ペルシアの楽器)を弾いています。森のしじまに広がる穏やかな音色にこどもたちも耳を傾けているようです。
ヴェルナー教授のデザインと雰囲気が異なり、写実的であるだけでなく、芸術的な趣に溢れる絵柄のデザインとなっています。




デザイン案は数回にわたり、ドイツと日本の間でより良いものにするため、話し合いが行われます。時にはスケッチ画、イメージ画は数枚にもなります。こうしたスケッチ画は、きっとマイセンファンの方には、垂涎のスケッチでしょう。しかし、弊社としては一資料。スチール棚にファイルに入れ保管しています。

インターネットが発展した現在では、メールでやりとりをして、作品の画像を添付して確認をすることができます。しかし大切な部分は、顔を合わせて打ち合わせをする必要がありますので、弊社のバイヤーは年に数回、ドイツのマイセンへ出張します。
今年も既に数回目になるヨーロッパ出張にバイヤーが行ってきました。

◄ドイツ土産のチョコ、マイセンの食器が描かれています

このようなやりとりを重ねて、日本オリジナルの干支を題材にしたプレートや作品が出来上がります。
今年のイヤープレート、アニュアルプレートは発売されたばかりですが、弊社のバイヤーは既に、来年、再来年のデザインに向けてマイセンと打ち合わせを行っております。
少し早いですが、「2014年の世界遺産はどこが描かれるのか?」「アニュアルプレートの童話は?」「干支の馬はどのようなデザインになるのか?」  ご期待ください。

また、毎年、春と秋に全国の百貨店で開催されている「マイセン展」では、貴重な世界限定作品の他に、百貨店独自の企画品や特別品などが展示販売されています。
ぜひ百貨店のマイセン展に足を運び、作品をご覧ください。

※2013年秋10月以降の全国マイセン展のスケジュールはこちら よりご確認ください。
※2013年イヤコレクションも既に全国のマイセンを取り扱う百貨店で販売中です。全国の取り扱い店舗はこちら よりご確認ください。

ハインツ・ヴェルナー(Heinz Werner)
ハインツ・ヴェルナー Heinz Werner
1928年 ザクセン・コスヴィッヒ生まれ

幼少より天性の絵心を発揮し、1943年にマイセン磁器製作所の門をくぐりました。
多くの新しいデザインを発表し、現代マイセンの確立に大きな役割を果たしています。その主な作品としては、「アラビアンナイト」「サマーナイト」「ブルーオーキッド」「アーモンドの樹」「ドラゴンメロディ」などが挙げられます。

製作所を引退した現在でも、ヴェルナー教授の創作に対する意欲は衰えず、絵画やリトグラフの制作にも新境地を開いています。その作品の根本にあるのは、「生きる喜びの表現」。とかく抽象に走りがちな現代美術と異なり、人生の喜びを磁器の上にわかりやすく表現することを心がけているとの事です。また、「夢と現実」の境目、酩酊と覚醒のはざまにも深い興味があり、そこから酒によって歌い踊る、独特の動物たちや神話の人物が描かれています。文字通りマイセンの重鎮でありながら、親しみやすい人柄によっても多くのファンを得ています。


アンドレアス・ヘルテン (Andreas Herten)
アンドレアス・ヘルテン Andreas Herten
1967年、バルト海のそばのウィスマール生まれ

絵を描きたいという熱い思いにかられて国立マイセン磁器製作所の門をたたき1984年から1988年まで、花絵付を学びました。
ハインツ・ヴェルナー教授(1928年生まれ)のもとで研鑚を積み、同氏のデザインによる大きな作品の絵付を手がけるうちに、自由な創作・絵付で頭角を現し、はやくも1989年から芸術の発展をめざすグループに参加。チーフデザイナーであるヴェルナー教授の高弟としてその新しいデザインを共に企画。自由な創作を許す師匠のもとで、プラークなど室内装飾的な作品を多く手がけるようになりました。



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Artist Special ~マイセン 「ヴェレンシュピール(波の戯れ)」を生んだアーティスト~

アーティスト紹介 vol.2

アーティスト紹介の第2回目は、マイセン磁器より、「ヴェレンシュピール(波の戯れ)」を生み出した、現代マイセンの造形部長である「ヨルク・ダニエルチュク」とアーティストの「ザビーネ・ワックス」を特集いたします。

ヨルク・ダニエルチュク(Joerg Danielczyk)
ヨルク・ダニエルチュク Jörg Danielczyk
1952年生まれ
現代マイセンの造形部長

1969年にマイセン磁器製作所に入り、造形家の修業をはじめ、1973年から活動を開始。1978年に「芸術の発展をめざすグループ」に入り、長年にわたりペーター・シュトラングとの共同作業を行う。同時期、ドレスデンの造形美術大学で彫刻を、その後、ハレ・ブルクギービッヒェンシュタインの大学で容器造型を学び、さらに経験を積みました。



現在ヨルク・ダニエルチュクは造形家、デザイナーとしてユニカートやシリーズ作品の制作にあたっています。
造形部門の責任者である彼は、様々な作品の制作にかかわっており、「波の戯れ」のフォームのほかに、「コミックバード」をオラフ・フィーバーとともに考案し、2012年 世界限定コレクションにも、彼の作品があります。


ザビーネ・ワックス(Sabine Wachs)
ザビーネ・ワックス Sabine Wachs
1960年ザクセン州のワルムスドルフ生まれ
1986年から2011年まで国立マイセン磁器製作所のアーティストとして活動

子供の頃から絵を描いたり、形を作ったりするのが大好きで、1978年の高校卒業後、コルディツの磁器工場とデーレンブルクのガラス工場で実習を行いました。ここでの経験が1979年からの大学生活に役立だったといいます。その後、ハレ・ブルク・ギービッヒェンシュタインの造形大学に入学し、ブリギッテ・マーン・ディーデリング教授、ハンス・メルツ教授、ハインツ・ヴェルナー教授のもとで絵付を学びました。


「ヴェレンシュピール(波の戯れ)」

「ヴェレンシュピール(波の戯れ)」は、21世紀のマイセンを担うアーティスト集団によって1996年に生まれました。
さざ波のようなレリーフがあるものと、レリーフのないものがあり、いずれも自然を感じさせるフォームが現代の暮らしにやすらぎを与えると人気を博しています。また、やさしいカーブによって飲んだ時の切れが良く、「用の美」も追求されています。

時をかけて生み出された21世紀を代表するテーブルウェアで、カップ&ソーサーのソーサーが独立したプレートとして使えるのも魅力的です。


ホワイト ティーカップ&ソーサー
品番:000000/29633

スイートピー ティーカップ&ソーサー
品番:68A087/29633

青い花 ティーカップ&ソーサー
品番:614701/28633

 


ホワイト ディッシュ
サイズ:径 15.5cm
品番:000000/53576

ホワイト ディッシュ
サイズ:横幅 26cm
品番:000000/53256

ホワイト プレート
サイズ:径 22.5cm
品番:000000/29472

 

今回、ご紹介をした商品は、ジーケーオンラインショップで取り扱っておりますこちらをご覧ください。
また、全国の主要百貨店でも商品をご購入いただけます。マイセンの取り扱い店舗はこちらでご確認いただけます。



※ 品切れとなった場合は、本国からの取り寄せとなるため、お届けまで数か月の日数を頂戴する場合がございます。
※ 百貨店により在庫状況が変動する場合がございます、万一品切れの際は、ご了承ください。

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