マイセン「Bフォーム」の新しい花柄をご紹介します。
「Bフォーム」と呼ばれるカップ&ソーサーのフォームは、
19世紀のマイセンに偉大な足跡を遺した造形家、ロイテリッツが、1855年に作り出したもので、
オリジナルの原型に付された認識番号から「Bフォーム」と名付けられました。
このシリーズは、マイセン磁器が王侯貴族だけのものではなく、市民階級の富裕層に広まっていった19世紀に作り上げられ、
典型的な歴史主義のデザインであり、バロックやロココ様式など過去の様式の要素が自由に用いられているのが特徴です。
また金彩で仕上げることで当時のブルジョワ層の人気を博しました。
「散らし小花」が描かれたものが有名ですが、今回デイジーと忘れな草との小花が描かれた作品が登場しました。
エルンスト・アウグスト・ロイテリッツ
Ernst August Leuteritz
19世紀の革新的指導者。
1849年から1886年までの37年間にわたり、
マイセン磁器製作所の造形部門の責任者を務めました。
マイセンの古典的なフォームに注目し、さまざまな時代様式を組みあわせて、
新たなスタイルを生み出しました。
彼はロココ様式の復興と共に製作所のアーカイブをも甦らせました。
マイセンの古文書資料館には実に320の原型がロイテリッツの名前とともに記録されています。
製作所が再び世界的な名声を得る契機となった1855年のパリ万博をはじめ、
数々の万国博覧会への参加も彼の主導で行われました。
MEISSENメモ(97):絵付「レッドドラゴン」のご紹介
絵付「レッドドラゴン」をご紹介します。
マイセンの絵付にはさまざまな「象徴」が隠されており、
その絵付の一つ「レッドドラゴン」は
1730年頃に中国から伝わってきた図柄がもとになっています。
外側のドラゴンは皇帝のシンボルであり、
「鱗をもつ360の動物の最初のもの」「四代珍獣のひとつ」と
いわれています。
中央の鳳凰は皇帝と皇后の富と権力のシンボルであり、
円を描いて「永遠」を表わしています。
それに対し左右の「宝」の象徴は静止し、ドラゴンの動きを遮っています。
動と静がひとつのプレートの中で絶妙な均衡を保った絵付です。
さらに柄の配置には数の秘密が隠されており、
その絵解きも楽しんでいたようです。
MEISSENメモ(102):マイセンの「嗅ぎ煙草入れ」について
マイセンのマイセンの「嗅ぎ煙草入れ」について
フランスで流行した「嗅ぎ煙草」は18世紀にはヨーロッパ全土に広まりました。
貴族や上流階級の間では自分の「嗅ぎ煙草」の蓄えを高価な磁器のボックスに保存していました。
それに伴い美しい絵付や細工が施された多くのボックスが作られました。
このような「嗅ぎ煙草入れ」は、おそらく今日の金のライターよりも重要な地位を表す象徴でした。
当時の優雅な宮廷生活を想像しながらアクセサリーや小菓子などを入れてみてはいかがでしょうか。