MEISSENメモ(65):古都マイセンの「ワイン作り」がテーマの作品のご紹介

古都マイセンの「ワイン作り」がテーマの作品のご紹介
 
古都マイセンはヨーロッパでワインが作られる北限に位置し、今のような磁器の町となる前、遥か850年以上の昔からワインの町でした。エルベ河畔の日当たりの良い丘陵地帯でブドウが栽培されてきましたが、作付面積が非常に小さいため、この地で作られるワインは貴重なものでした。9月~10月のブドウの収穫とワイン作りは昔から心騒ぐ行事であり、現在でも収穫祭は町をあげて行われています。
このブドウ栽培がマイセンの磁器にも影響を与えたことは、ごく当然のことでした。古くは絵付されていない磁器の上にも、ブドウの葉や蔓などの立体的な装飾がみられ、ワイン作りやブドウ畑がテーマとなった作品が数多くあります。贈物にもブドウが描かれたものが喜ばれてきました。

群像「ブドウ搾り」


群像「ブドウ搾り」
ブドウ栽培の影響から作られた群像。これらの人形の原型は1786年、ヨハン・カール・シェーンハイトによって作られました。彼は1745年から1794年までマイセンの造形師として活躍しました。また18世紀、フランスの啓蒙思想家、ジャン・ジャック・ルソーによる「自然へ帰れ」という言葉に影響を受け、頻繁に農村や田園の風景の群像も作られました。「自然と調和」を表現するために、これらの群像の多くは子供たちの姿で表現されています。それによって磁器彫像全体にやわらかさやあたたかさを与え、ブドウの収穫の喜びを強調しているのです。その一体一体が手作業で作られた子供たちは、色とりどりのズボンやスカート、帽子やアクセサリーを身につけています。それは当時の流行を上手く取り入れたもので、その多様さは個々の顔立ちと同様、非常に魅力的です。(左から、品番:61274/900300、高さ:約32cm、品番:61035/900380、高さ:約24cm、品番:61277/900300、高さ:約35.5cm)


プラーク「ワイン泥棒」




プラーク「ワイン泥棒」
これらのプラークの原型は1991年、現代マイセンの巨匠 ハインツ・ヴェルナー教授によって作られました。「真夏の夜の夢」「アラビアンナイト」「ブルーオーキッド」など、現代マイセンに不朽の名作を制作したヴェルナー教授は、プラークの分野でもその圧倒的な技量において独自の世界を展開しています。現代のエスプリを感じさせながらも、その技術の中にはマイセンの伝統が脈々と息づいています。流れるような絵付は現代マイセンの集大成といっても過言ではありません。
*左から
プラークの中央にブドウ畑の中で憩う鳥が描かれた作品。(品番:9M504/930015、サイズ:約35×35cm)
エルベ河畔に広がるブドウ畑の風景まで感じさせる作品。(品番:9M504/930017、サイズ:約35×35cm)
若い女性とバッカス(酒の神)の楽しい語らいが今にも聞こえてきそうな作品。(品番:9M504/930014、サイズ:約35×35cm)


「樽の上のバッカス」*世界限定25点


「樽の上のバッカス」*世界限定25点
王の饗宴にはワインと歌が欠かせません。1726年以来、マイセンでは非常に高度な造形技術をもって、ワインやコーヒーの樽をかたどった置物が作られてきました。本作品の原型は、1741年から1742年にかけて天才造形家、ヨハン・ヨアヒム・ケンドラーによって作られました。古都マイセンでのワイン収穫の喜びに溢れた名品です。(品番:73M14/908382、サイズ:高さ約 45cm)


シリーズ「ワインリーヴ」


シリーズ「ワインリーヴ」
マイセンで通称「ワインリーヴ」として親しまれている絵柄「常緑のぶどうの輪飾り」は、1817年にヨハン・ザミュエル・アルンホルトがデザインしました。ブドウの葉が円を描き、永遠を象徴するという深い意味合いをもっています。緑と白はザクセンの色で、今も「ザクセン自由共和国」のシンボルカラーです。この絵柄の特徴的な深い緑色は、化学者、ハインリッヒ・ゴットリープ・キューンの功績によるものです。
簡素で美しい絵柄は、当時の中産階級に圧倒的な人気をよび今日に至っています。また「ワインリーヴ」には、540種に及ぶ多彩なアイテムがあり、この数は「ブルーオニオン」に次ぐもので、この絵柄の人気の高さがうかがえます。


*化学者、ハインリッヒ・ゴットリープ・キューンについて
1788-1870年。化学者。1833年から1870まで、マイセン磁器製作所の最高責任者を務めました。光沢金を発明し、これにより盛り上がるように見える肉厚な金彩が可能になりました。また1817年に「酸化クロムの緑」を発明により、「ワインリーヴ」の深い緑色をもたらしました。
 
 
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